経営学部の望月ゼミでは「地域・観光マネジメント」の研究を行っており、実証フィールドにおける調査は欠かせない要素の一つとなっています。このため、コロナ禍にあっても感染対策に万全を期しながらフィールドワークに努めています。
例えば2022年度前期においては、3年生次生が広島県北部地域の安芸高田市(人口約3万人)を題材に「神楽によるまちづくり」を研究し、この一環で同市初の大阪公演にゼミとして参加しました(2022年5月)。新大阪での公演では、特産品の販売や神楽衣装の着付け体験を支援したほか、安芸高田市の石丸伸二市長や同市出身で神楽アンバサダーを務めるケミストリーの堂珍嘉邦さんとも交流し、同時に公演の様子はインスタグラムなどSNSで発信しました。安芸高田市内には22の神楽団があり、幼少時から親しむ神楽は、地域の生活文化そのものであると同時に貴重な地域資源です。独自に神楽ドームを有し年間150日以上の神楽公演を行うほか、神楽甲子園、東京公演、パリ公演などを行っておられます。
調査・研究の成果は、松田商工観光課長へプレゼンテーションし、助言を踏まえ2万字の調査報告書「広島県安芸高田市の活性化に向けて―神楽によるまちづくりのバージョンアップ―」にまとめ、石丸伸二市長へ提出しました(2022年8月)。
これに先立ち2年次には、甲南大学が加古川市と協定を結んで行っている「加古川知を結ぶプロジェクト」に参加し、市長プレゼンを行いました。「加古川のかわまちづくり」をテーマに、かわまちづくりのイベントに参加し市民の方々とも交流しながら、加古川を「ミズベリングの聖地」としてブランド化する提案を行い、活動の様子は、加古川市の広報誌にも取り上げられています(広報かこがわ(令和3年11月号,28頁))。
(経営学部 特任教授 望月 徹)